オオヤマネコさんの個展「beam」は、10月23日(火)〜11月4日(日)に行われました。
総作品数約90点というのも驚きですが、作者自身が合間を縫って出来る限り在廊し、来場者とコミュニケーションを取っている姿は頭の下がる思いでした。
日々作品が追加されたり展示位置が変わったりしたのでなかなかここに書けなかったのですが、ようやく画像処理もできましたのでお知らせすることができます。

今回は一昨年の「ふたつのリンゴ」に続き、Vieで2回目の個展です。この2年間制作と発表を重ね、さまざまな手法で自らの世界を拡げてきた彼の「いま」をふんだんに表現した圧倒的な量の作品が、Vieのあらゆるところに飾られていました。
「掬い上げた粒子
並進するbeam」
ではどうぞご覧ください。
エレベーターホールから中を見たところ。前室にもたくさんの作品があります。
ここには青が基調の、以前の展示作品たちが並んでいます。

台上には連作「opera / オペラ」がありました。
この作品については後で詳しくご紹介します。
ではいよいよギャラリー内に入っていきます。

入口から奥を見たところ

山側の壁です

奧と、海側の壁です

海側の続きと、入口周辺の壁です

プロフィールコーナーです
お馴染みのオオヤマネコを描いた作品。彼のアイコンですね。
山側の壁は「beam」がテーマの作品群です。
「beam/ビーム」
照らされた一筋の光を 頼りに進む
日々 まぶたに浮かぶものを そっと掬い上げる
粒子のように集まった形たちを つなげた物語
並進するbeamは交差するたびに 私を映す

手描きのポストカードサイズ作品もありました。(紙、アクリルガッシュ)

奥の壁の作品はピアノがテーマです。

「Scherzando / スケルツァンド」(カンバス、油彩 2018年)
飛び跳ねるような君に たたずむ君
几帳面な君に かわいらしい貴女
みんな ちょっとおどけて素敵
先ほどもご紹介した連作は途中で前室の台上に移されたものですが、ここでは当初の展示画像で紹介します。

「opera / オペラ」(ウッドボード、油彩、アクリルガッシュ 2018年)
役者は揃った 公演日も決まっている
脚本はまったくのデタラメ
でも 奏でる世界は なぜか美しい
海側の壁は紙版画のシリーズです。まずは日々の生活の中で作った作品から。
毎日気になったものをただ掬う日記のようなものだとか。
次は、国際的に認められた作品群です。

国際的なアートフェア「UNKNOWN ASIA Art Exchange Osaka 2018」に出展、
「審査員 FUNG Ho-Yin 賞」「オーディエンス賞」を受賞した際の作品たちに加えビームした新作です。
ここからは新作です。

カッコイイ六角形の木額に、版画作品と原版を貼り付け、それを蜂の巣状に沢山並べた作品群。今回の展示でも得に人気がありました。
紙版画の場合、版自体も紙なので、版画作品と並べてもしっくりくるのですね。

太陽の塔を描いた作品 (上・原版/下・版画作品)
彼の作品によく使われるマスキングテープを、ここでは版の作製に使っています。刷り出されるとウロコのような模様になるのですね。
最後は入口付近に展示されていた油彩作品です。

「Blue Hearts」
迷子になった私は 1輪の花をつかむ 鼻歌は「青空」目的地は今
(16号カンバス、油彩 2018年)

「White Riders」
凛とした君 ティフィンオレンジのような月と そして約束して ずっと忘れない
(16号カンバス、油彩 2018年)

「Bride of Fiddeler」
使い慣れたこの子とともに 祝福は孰れ 先はまだ永い
(16号カンバス、油彩 2018年)

こんな小さな作品もありました。

版画のエコバッグも販売していました。
この他にも4冊のファイル内にぎっしり作品が120点以上ありました。画像がなくて申し訳ありません。
圧倒的な作品数と作者の熱量に溢れた2週間、スタッフも堪能させていただきました。
この後もどんどん展示予定が入っているというオオヤマネコ氏。今後の活躍も楽しみですね!
お疲れさまでした。